動機ドリブンタグ付け

見たい情報が溢れてしまっていたので整理方法をブレストしてみた。

対象

  • 色々と興味を持ってしまい情報を集めすぎてしまう(ブックマークとか)
  • 未整理や未読の情報が重荷になってイライラしてきた
  • 積ん読が多すぎて本を読み出しても途中で別の本が気になる
  • タスクのプライオリティ付けをやっているつもりが踏み込みが足りない
  • 結局迷ってばかりで何もできていない

原因

  • 「得られるかもしれない知識」への期待値を高く見積もりすぎている

基本原則を考え直してみる

  • 情報を読むことで理解できると考えることが根本的に浅はか
  • やったことしか理解できない。読んだ知識はまやかし
  • 情報は実は料理しないとまったく食べられない(腹をこわす)ものと考える
  • 素材を使って何か行動をおこすことで知識は得られる
  • 情報収集ではなく情報消化を優先して、実際に身につく“筋力”情報量を最大化する問題ととらえる

何のために情報を集めるのか

  • 興味があるだけでは発散してしまう
    • 集めて本当に使っているのか?タグ付けしてどうしているのか?
    • 話題についていきたいだけ?
    • 何かできるようになりたいのか?
    • その分野について詳しくなりたいのか?(○○ならば○○さん)
  • よくある「何が得られるのか?」という考えはフィルタとしては機能しない
    • 興味を持った情報なのだから何かしら得られるに決まっている
    • より踏み込んで「何が作れるようになるか」「何ができるようになるか」
  • 情報収集は「○○をするための“準備”」という意識でやる
    • ブックマークは「○○をするための準備」であり、「○○をする」時期が来たら、効率よく開始できるようするのが目的
    • 実際にやるときに動機毎に検索できなければ意味がない
    • やる予定がなければクリップしない
    • 一般知識増強という意味ならば、サラっと読んで捨てる
    • 再検索したらまたすぐ調べられることも捨てる
    • 動機のない情報収集、後で動機で検索できない情報の保存法はムダ

情報のタグ付け方法の見直し

  • delicious などで登録時に種別や分野でタグをつけるとよくあること
    • 登録時のタグが足りない→何気なくタグを追加→タグが増える一方
    • 登録して満足、情報が発散するだけで終わってしまう
  • タグ付けは「○○をするため」と自分のどの動機につながっているのかでカテゴライズすべき
    • 適切なタグがない→ 情報をキープする動機が不十分ということ。行き先のない情報
  • タグ命名規則
    • 動機別とする
    • カテゴリ名に必ず「動詞」をつける
      • これは英語のプレゼンで項目として名詞を羅列しないのと同じ
      • 項目に名詞を並べてはだめで、必ず動作をイメージできるように動詞あるいは行動名詞を入れる
    • 動機ではなく、情報の属性でのタグ付けするときは、自分のプラットフォームとなる分野のみに限定する
      • 自分のメイン分野の情報は他人にも有用なので紹介できるように記録する

動機を絞り込む

  • やりたいことを絞る
    • ムダを削減するのは誰でも納得できる当たり前のことだが、「やりたいこと」を削減するのは難しい
    • やりたいことを削るのは夢を削るようなもので心理的には納得しづらい
    • しかし必要なのは「夢の中でどれが一番大事なのか決めること」「夢を削る技術と勇気」
  • 重要なものをまっさきにやる
    • おいしいものを最後に残すタイプは損をする。
      • × じっくり読みたい本を最後にして、まずサクっと読めるものを先によむ
      • × 雑務から片付けて、本腰をいれてメインをやる
    • 意志決定に影響することを早く確定させることがコツ
      • メインの本をまず読む
      • 周辺知識があればこそメインがスラスラ読めることもあるが、何が分からないのかをまっさきに知る上でもメインをまず読む(見る)
      • 何が困難なのか感覚を得るのはすごく重要(見積もりにつながる)
  • 集中するための土壌を作る
    • やりたいことが、いちばん魅力的なことはまれである
    • やりたいことが、いちばん楽しくなるように、他をつまらなくする、さわらない、そういうコントロールが必要
  • 読書やブログの読み方
    • 同様に動機ドリブンで絞る。自分の動機を 5 つ程度に絞って、関係する本だけを買う etc
  • 分野を絞る
    • 何が必要なのかを、考える
      • 職業上一番必要なはコレとコレ
      • 今の自分を助けてくれる技能や知識を優先する
    • 他人に任せる分野を決める
      • 自分が先陣切って掘り下げる分野
      • 自分が一応は理解する分野
      • 他人に任せる分野

情報の深度とフィルタリング

  • 簡単に手に入る情報は深度が低い
  • 何度も同じ情報を読み直している事実
    • ウェブよりもじっくりと本を読んだ方がいい場合もある
    • TV やウェブニュース程度の情報を広く見てキャッチアップしている気になってはいけない
  • 雑誌から学べることは実は少ない
    • 表面的なものが多い。とっかかりとして利用するだけ。とっかかりばかり読んでもだめ
  • ネットの記事は基本的に無駄
    • 思いつきで書いている、推敲されていない、コンパクトに書かれていない
    • 著者が書くのに使った時間 ≦ 読者の読んで考える時間、となっている情報には意味がない
      • 自分の(読書時間+思考時間)で、著者の何時間と引き替えになるか
      • 著者が品質保証せずに、読者の読解力に投げているような記事は、テレホンショッピングの「交換無料」商法と同じ
      • 単純なフィルタ:このブログの記事は最低 3 時間はかけて文章を書いているように見えるか?
  • 更新頻度による単純フィルタリング
    • 更新頻度の高いブログは、それだけ 1 つの記事に短時間しか割り当てられていない=価値が低いと見てさくっと RSS リーダーから外す(ファンなら残す)
      • 毎日更新するブログは、最大 1 日しか考えられていない or 1 日の推敲で書けてしまう内容
      • 逆に 1 ヶ月に一度しか更新しないブログは、もしかしたら 1 ヶ月考え抜いた何かが出てくるかもしれない
  • ランキングの有効活用
    • 定期購読はしないと決める。サイト内ランキングなど、ランキングのみ注目する
  • ネットの使い方
    • やりたいことがないときにネタを探すとき
    • やりたいことがあるけど詰まっているときに解決策を探すとき
    • やりたいことがあるときはネットなんてやらずにまずそれをやるべき

情報ツールの選び方

  • 情報の登録先を絞ることが意味がある
    • カテゴリによっては多少登録しずらくても集中させる
    • ○○の保存ならば○○がベスト、と考えるのは局所効率化にすぎない
    • 「登録しやすさ」を「使いやすさ」と勘違いしない
      • 情報を登録する時のコストではなく、引き出すときのコストを重視する
    • ログ野郎にならない
    • 読んだ本、観た映画などをリストにして何が楽しいのか?
  • 公開と非公開の違い
    • 公開して真剣に伝える場合にはコストがかかる
      • 見られるから、と推敲する時間がもったいない
    • 非公開を選ぶことでまずは 1 次キャッシュとして保存して高速に思考に生かすことができる

まとめ

  • 情報は材料であり、材料で何をしたいのか動機を意識する
  • 情報を動機別にタグ付けする。この習慣が動機を整理し、内なる動機の再発見につながる
    • タグには必ず「動詞」「行動名詞」を入れる ex. OS を作る, コンパイラを作る, 楽しく働く
    • 登録しようとして該当タグが見あたらない場合、それは動機なく情報収集をしている危険信号
    • 登録しようとして新しいタグを作りたくなった場合、それは「動機」が多すぎる危険信号。追加してよいか自問して、やりたいことを整理する
    • それでも残った動機タグの一覧を見ると、一言で表現しきれない「自分が何をしたいのか?」が分布で見えてくる
  • 情報メタボにならない為のシンプルなチェックポイント
    • やることが前提ですか?やれることは少ないですよ?
      • 動機別にタグ付けされているか
      • 動機別に引き出せる保存の仕方をしているか